モバイルルーターのHW-01C(NTTドコモ)は、SIMロックがかかっており、ドコモのSIM(ドコモのMVNOも含む)以外は使用できない。
が、このSIMロックを解除して、ソフトバンクなどのSIMを使用可能にできる。
<必要なもの>
・WindowsPC
・DC-Unlocker Client(モデムの情報表示)
・Stirling(バイナリエディタ)
・PSAS(Phone System Analysis Software)
以下は、Windows7 Professional 64bitで行った。
<HW-01Cをモデムとして認識させる>
電源を入れたHW-01CとWindowsPCをマイクロUSBケーブルで接続すると、リムーバブルドライブとして認識されるので、そのルートにある「DataCard_Setup.exe(32bit時)」か「DataCard_Setup64.exe(64bit時)」を実行、PCを再起動する。
bit数に合わない方を実行すると、実行されないかエラーとなる。
これを行わないと、HW-01Cはリムーバブルドライブとして認識されてはいるが、モデムとして認識されず、以降の作業ができない。
<SIMロックがかかっていることの確認>
DC-Unlocker Clientをインストールし起動、「Select manufacturer」を「Huawei modems」、「Select model」を「Auto detect (recommended)」にして虫眼鏡マーク(Detect modem)をクリックする。
すると、以下のような情報が得られ、SIMロックがかかっていることが分かる。
SIM Lock status : Locked (Card Lock)
<メモリダンプ>
PSASをインストールし、起動する。
Hardware Forensics>Use Mobile Portsを選択する。
「QC Com Diag Window」が表示されるので、「Serial Com Port」で「COM● – HUAWEI Mobile Conect – 3G PC UI Interface (COM●)」を選択する。
ここではCOM4となっているが、これは各々の環境により異なるので、必ずしもCOM4とは限らない。
「Diag」タブに移動し、「Diag Commands」に「00 – Version Info」が選択されている状態で、「Send」をクリックする。
下の空白部分に、文字列(Version Info)が表示される。
「Diag Functions」で「Read EFS」を選択、「Max Pages」に「250」と入力し、「Alternative Method」にチェックを入れて、「Lets go」ボタンを押す。
すると、HW-01Cから読み出した情報(メモリダンプ)の保存先とファイル名を訊かれるので、各々設定し、保存する(しばらくかかるので待つ)。
保存するファイル名は何でもよく、拡張子も無くてよい。
<Unlock Codeの確認>
保存したファイルを、バイナリエディタ(Stirling)で開く。
Stirlingを起動し、そのウインドウにファイルをドラッグアンドドロップすれば、開くことができる。
アドレスが「00038002~00038009」or「00038802~00038809」あたりに並んでいる、連続した8文字(8バイト)を探す。
指定したアドレスに飛ぶには、「検索・移動>指定アドレスに移動」が便利。
アドレスベースが16進になっていることを確認して、アドレス欄に入力すればすぐに飛べる。
8文字がどのアドレスにあるかは、HW-01Cにより異なる可能性があるが、範囲は狭いので、見つけるのは簡単。
8文字を発見したら、メモする。
Stirlingの右側で8文字を選択し、右クリックでコピーもできる。
8文字を記録したら、HW-01CとWindowsPCを再起動する。
<Unlock Code の入力>
PSASを起動する。
起動するまで少し待つが、この時、「Datacard no response. Please restart your computer!」となる場合は、HW-01CとWindowsPCを再起動する。
# それでもダメなら、HW-01Cと重複しているIPがあるので、他方を無効にする。
PSASの「CardLock_Unlock」画面が表示される。
IMEI(International Mobile Equipment Identity)に数字が表示されていることを確認し(空欄ならHW-01Cが認識されていないのでNG)、その下にある「Unlock Code(6-8 digits)」に、先ほどメモした8文字を入力し、「OK」を押す。
問題がなければ、「Unlock successful!」と表示され、SIMロックが解除される。
なおこの時、既にSIMロック解除済なら、
「Unlock failed:data card had been unlocked!」と表示される。
<SIMロックが解除されたことの確認>
DC-Unlocker Clientを起動し、「Select manufacturer」を「Huawei modems」、「Select model」を「Auto detect (recommended)」にして虫眼鏡マーク(Detect modem)をクリックすると、以下のような情報が得られ、SIMロックが解除されたことが分かる。
SIM Lock status : unlocked
Locked (Card Lock) → unlocked ということだね。
この後、HW-01Cの電源を切り、ドコモのSIM以外(ソフトバンクなど)を入れて起動すると、SIMを認識するはずだ。
SIMロックを解除しても、当然だがauは使用不可。
通信を行うには、管理画面(192.168.1.1)から、APNの設定などを行う。
なお、SIMロック解除後も解除前の設定が残っていたが、念のために、設定をメモするなどしておくべきだろう。
HW-01C(NTTドコモ)は、D25HW(emobile)とC01HW(ソフトバンクモバイル)の兄弟機であり、バッテリーは共通で使用できる。
古いモバイルルーターではあるが、兄弟機含め広く使われていたため、互換バッテリーなども安く手に入るので、速度を気にしない(本機は3GのみでLTE非対応)なら、まだ使えるはずだ。
日本国内ではOCNモバイルONEのような低価格SIMを使い、海外では現地SIMを入手し使用すると、国内外で安い通信が可能だ。
関連:PocketWiFi三兄弟 – D25HW(emobile),C01HW(SoftBank),HW-01C(NTTドコモ) with GP01(emobile)
関連:D25HW(emobile)とC01HW(ソフトバンクモバイル)の比較と違い – 海外ではSIMフリー?
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