(2015年6月追記)
FM補完放送(ワイドFM)とは、AM放送局の放送区域において、難聴対策や災害対策のためにFMの周波数を用いて、補完的に放送されるもの。
ワイドFMが放送されている地域で、かつ、90.1MHz以上のFM周波数帯域に対応しているラジオで視聴可能。
放送エリアはまだまだ狭い(2015年4月末現在)。
・富山県:KNBラジオ:90.2MHz:2014年12月1日放送開始
・愛媛県:南海放送ラジオ:91.7MHz:2014年12月1日放送開始
・鹿児島県:MBCラジオ:92.8MHz:2015年1月1日放送開始
・秋田県:ABSラジオ:90.1MHz:2015年3月2日放送開始
・東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県
TBSラジオ:90.5MHz:2015年秋以降放送開始予定
文化放送:91.6MHz:2015年秋以降放送開始予定
ニッポン放送:93.0MHz:2015年秋以降放送開始予定
愛知県
・CBCラジオ:93.7MHz:2015年秋以降放送開始予定
AMの受信に問題がなかったり、そもそもラジオを聴かない場合は、FM補完放送対応モデルを買う必要はない。
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9月3日、TBSラジオ&コミュニケーションズ(以下TBS)と文化放送、ニッポン放送が、FM補完中継局の予備免許を取得した。
関連:このたびニッポン放送は、災害対策および難聴対策のためのFM補完中継局の予備免許を取得しました。
放送は2015年春からとなるが、FM補完中継局からサイマル放送(AM放送と同一の内容)を行うようだね。
なぜ、同じ内容をFMで放送する必要があるのか?
このブログでも少し書いているはずだが、AMの受信環境は、日に日に悪くなっている。
・建物が過密化した都市部では、電波が届かない。
・都市部に限らず、地形的難聴がある。
・電子機器類からのノイズにより受信が阻害される。
・外国放送などの混信がある。
AMラジオをお持ちなら、パソコン本体や液晶モニターに近づけてみて欲しい。
私の環境では、パソコン本体、液晶モニター、プリンター、デジタル一眼の一部で、AMにノイズが入ることが確認できた。
この「AM難聴」への対策として、FMで放送を行う必要があるということだ。
災害時にラジオは重要だが、災害時にAM放送送信施設がダメージを受けた場合でも、FM放送送信施設が残っていれば、放送は可能となる。
# 当然、AMとFMは物理的に異なる場所からの送信とする。
FM補完放送の送信場所は、3社とも東京スカイツリー(墨田区押上)である。
東京スカイツリー
聴取可能範囲は、目下、関東の一部のみとなる。
FM補完放送の周波数は、以下のようになっている。
・TBS:90.5MHz
・文化放送:91.6MHz
・ニッポン放送:93.0MHz
ここで勘のいい方はお気付きであろうが、受信できないラジオもあるのでは?ということ。
上記のいずれも、90MHzより上(90MHzは含まない)だからだ。
ラジオによっては、90MHzまでしか受信できないモデルがある。
以下、ソニーのみで恐縮だが、ソニーのラジオのサイトに掲載されているモデルに限り、90MHzまでしか受信できないモデルを調べてみた。
<FMが90MHzまでしか受信できないモデル>
■名刺サイズラジオ(シンセチューニング)
XDR-63TV
■ステレオポータブルラジオ
SRF-18
■ホームラジオ
ICF-A101
SRF-A300 (生産完了)
■お手軽ラジオ
XDR-55TV
■非常用ラジオ
ICF-B08
古いラジオばかりが相当するのだろうと思いきや、XDR-63TVやXDR-55TVなどのワンセグTV音声受信可能な新しいモデルも該当する。
非常用ラジオ(ICF-B08とICF-B88)が該当するのは残念である。
TVのアナログ放送時に、TVの1-3chまで受信可能というモデルがあったが、それらはFM放送の受信範囲を上に伸ばしたものなので、本件のFM補完放送を受信できる可能性が高い。
なお、持っている人は稀であろうが、米国仕様のFMラジオを持っている場合、FM補完放送の受信が可能。
米国仕様のラジオ(ICF-38)
米国のFMラジオの周波数帯は、日本よりも上だからだ。
関連:ICF-38(ソニーのFM/AMラジオ,米国仕様)を、米国にて手に入れたのでレビューする。
ICF-38の場合、FMの周波数帯は87.6-108MHzとなっている。
但し、周波数の下限も高いので、国内の既存のFM放送がほとんど聴けないという罠wwwww
上記、アナログチューナーは問題ないが、シンセチューニングやプリセットモデルで該当周波数に設定できない場合は、受信不可能だ。
私の使用しているラジオ(一部)では、
・ICR-S71(ソニー):AMのみ
・ICF-801(ソニー):76MHz-108MHz
・ICF-38(ソニー):87.6-108MHz
・TY-HR1(東芝):76-90MHz
・PJ-30(ラジオ録音機,オリンパス):76-90MHz
となり、2台が90MHzまでの受信である。
前者(TY-HR1)は、単一アルカリ乾電池×3本使用で約400時間(AM,内蔵スピーカー)、約300時間(FM,内蔵スピーカー)という長電池寿命が特長。
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後者(PJ-30)は、レビューしているが、小型サイズながらラジオの予約録音が可能なモデル。
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FM補完放送の90MHzより上の周波数を受け、今後登場するラジオは周波数帯が上に広がるのだろうか?
関連:オリンパスのポータブル型ラジオ録音機 PJ-30 を使用中 (メモリー管理と音質設定)
関連:台風11号の影響 四国,奈良南部,三重で強雨 (防災ラジオの準備を)
関連:(レビュー) 高級ラジオ ICF-801(SONY) の電池交換 [約70時間(マンガン) 約180時間(アルカリ)]