AVANTEKの放射温度計(FHT-P2)を入手した。
放射温度計とは、物体(測定対象)から放射される赤外線により温度を測定する温度計。
なので、測定対象に接触させることなく(=非接触)、温度が測れる。
箱の外装は、以下。
内容物は、以下。
本体と説明書、電池の3点である。
説明書は分厚いので驚くが、多言語収録(英語・日本語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語)のためであり、内容はカンタン。
使い方は非常にカンタンで、電池を入れて、測定対象に向け、トリガーを引くだけ。
電池ケースは底面にあるが、これが非常にかたく、開けづらい!
写真の方向にズレるハズなのだが、かたくて動かない。
下記部分にマイナスドライバーを挿し込んで回転させることで開いたが...
電池は、単3電池を2本使用する。
付属の電池も使えるが、エネループ(白)があったのでそれを入れてみた。
エネループなどのニッケル水素電池は電圧が1.2Vと低いのだが、問題なく稼動している。
他の放射温度計は9V電池を使うモノがあるが、単3電池の方が安価に済むのでよい。
電池を入れたら、側面のスライドスイッチをBody(人体)かObject(物体)にする。
放射率の違いからこの切り替えがあるのだろうが、単にヒト(体温)かモノかで判断すればよい。
3-15cmの距離で測定対象に向け、トリガーを数秒引く。
トリガーを引くことで電源が入る。
ピッ♪と音がしたら、測定完了、温度が表示される。
液晶がバックライトで光るので、暗いところでもよく見える。
そのまま放置すると勝手に消える(トリガーを引いてから約15秒後)ので、イチイチ電源をOFFにする必要がなく、切り忘れる心配がない。
体温測定の場合は、温度アラームが設定できる。
体温が高い場合に警告音を出すのね。
デフォルトでは38゚Cに設定されているが、0.1゚C単位、37-42゚Cの範囲で設定可能。
設定値を超えると、温度が点滅し、ピッピッ♪ピッピッ♪ピッピッ♪と警告音が鳴る。
表示がHi(高)やLo(低)となって、温度が表示されない場合がある。
これは、温度が測定範囲外もしくは異常値となった場合である。
体温の場合、32-42.5゚C。
体温が32゚Cというのは低すぎるし、42.5゚Cというのは高すぎるからね。
物体の場合は、0-100゚C。
冷凍食品やハンダごて(240゚C以上)などは、測定範囲外だ。
↑熱し始めたフライパン:89.6゚C
↑水道水:24.5゚C
↑充電中の電池:43.9゚C
↑ラーメン(前):73.1゚C
↑ラーメン(後):58.0゚C
ラーメンは器に移すとどんどん温度が下がる。
Body(人体)かObject(物体)の切り替えであるが、Objectにして体温を測ると低めに出る。
↑Bodyで測った体温
↑Objectで測った体温
放射率の設定が異なるためであろうが、体温測定の場合は必ずBodyにすること。
測定記録が過去32回分残っているので、直前の値を(頭で)覚えておく必要はない。
BodyとObject、各々個別に32回分残っているようだ。
過去ログの閲覧は、側面にある+-キーで行う。
32回分を超過した過去ログは古いものから上書きされ、保存などはできないが、必要ないだろう。
摂氏(゚C)と華氏(゚F)の切り替えも可能。
摂氏(゚C,Celsius)
華氏(゚F,Fahrenheit)
日本では摂氏を使うので華氏にすることはないが、アメリカ合衆国などでは華氏が使用されている。
温度校正も可能。
0.1゚C単位、+3から-3゚Cの範囲で設定可能。
温度が確実に分かっているものがあると、校正に使える。
赤外線式を放射温度計は、その仕組みから、測れないものがあるので注意。
まず、測れるのは表面温度であり、内部温度は測れない。
水の温度は測れるが、表面温度である。
よくかき混ぜることで均一化すれば、内部温度も知ることができる。
ペットボトル入りの水をペットボトル越しに測ると、水ではなくペットボトル表面の温度になるが、ペットボトル表面と水の温度が同じであると考えれば測定可能。
塗膜のない素の金属は、放射率が低く、正しい温度にはならない。
光沢が出ないように、その表面と同じ温度になる黒体テープ(放射率0.94-0.95)を貼るなどする必要がある。
但し黒体テープは高額なので、簡易的であれば普通のビニールテープでもかまわない。
ビニールテープの表面が、その金属の表面温度になれば問題ない。
FHT-P2は、人体の温度(体温)を測定するのに向いている。
操作が非常にカンタンであり、子供でも使える。
放射温度計の多くには、測定箇所を示すレーザーが出ているが、人体に当てるのはアレ(目に入ると危険)だし、OFFにできる機種であっても面倒。
FHT-P2はそもそもレーザーがないので、そのような心配がない。
当てて、トリガーを引くだけだ。
<FHT-P2の仕様>
・測定距離:3-15cm(1.2-5.9in),最適距離:5cm
・測定可能体温:32-42.5゚C(90-108゚F)
・測定可能物体温度:0-100゚C(32-212゚F)
・測定正確性:±0.3゚C(0.54゚F)
・表示可能解析度:0.1゚C(0.1゚F)
・ログ機能:32測定値
・電力:DC3V(単3電池2個同梱)
・動作環境:10゚C-40゚C(50゚F-104゚F)湿度≦85%
・保存環境:0゚C-50゚C(32゚F-122゚F)湿度≦85%
<放射温度計のメリット>
非接触
衛生的
短時間
接触型はナジムまで時間がかかる
対象が動く(子供など)場合に有効
測定者による誤差が少ない
向けてトリガーを引くだけ
なお、100゚C以上も測りたい、マイナスも測りたい、レーザーポインターもほしいという場合は、以下のモデルがいいだろう。
AVANTEK 非接触温度計 赤外線放射 デジタル測定器 レーザーポイント機能付き 多用途 調理用 自動車の検査など 広い測量範囲 -50~+550℃ 日英取説 電池付き TG-3B
測定範囲が-50゚C(-58゚F)~550゚C(1022゚F)と広く、レーザーポインターがあるのでどこを測っているのかが分かる。
但し、レーザーポインターがあるので扱い注意と、単3電池ではなく9V電池を使う。
さて、大空に放射温度計を向けると、どうなるだろう?
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